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チェスの指し方 - ルールと 7 つのステップ
この段階式ガイドを読めば、チェスのルールを覚えるのは本当に簡単です。

チェスの指し方 - ルールと 7 つのステップ

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| 685 | 初級向け

世界でいちばん人気のあるゲーム、チェスの指し方を学ぶのに遅すぎることはありません! チェスのルールを覚えるのは簡単です。


ステップ 1. ボードと駒の並べ方

ゲームの初め、ボードは右下に白いマスが来るように置きます。

ボードと駒の並べ方

それから駒を決まった方法で配置します 。2 番目の列(「ランク」と言います)には 8 個のポーンが並びます。両隅にルークを置き、その隣にナイト、そのまた隣にビショップを置き、クイーンは自分と同じ色のマス(白のクイーンは白いマス、黒のクイーンは黒いマス)に、キングは最後に残ったマスに置きます。

チェス盤

ゲームの初めの駒の並べ方はとても簡単です。

 推奨ツール → ビジョン(盤面把握)の練習


ステップ 2. チェス駒の動かし方

6 種類の駒はそれぞれ違った動き方をします。駒は他の駒のいるマスを通り越して動くことはできず(ただしナイトは他の駒を飛び越えることができる)、また味方の駒のいるマスに入ることもできません。ただし相手の駒のいるマスへは入って、その駒を取ることができます。一般的な作戦としては、駒は相手の駒を次に取れる位置、味方の駒が取られたら取り返せる位置、重要なマスを支配する位置に動かしていきます。

キング の動かし方

キングはいちばんだいじな駒ですが、動きは小さい駒です。キングは上下左右と斜め、どの方向でも 1 マスだけ動けます。またキングはチェックになるマス(つまり次に相手に取られてしまうマス)に動くことはできません。キングが相手の駒の効きに入って攻撃されている状態を「チェック」と言います。

キングの動き

クイーン の動かし方

クイーンはいちばん動きの大きい駒です。上下左右と斜め、どの方向でも好きなだけ遠くまで動けます。ただし他の駒を飛び越えてその向こうまで動くことはできません。またどの駒もそうですが、相手の駒を取ればそのマスで動きを終えます。最後に白のクイーンが黒のクイーンを取って黒のキングをチェックし、キングが逃げています。

クイーンの動き

ルーク の動かし方

ルークは上下左右の 4 方向に好きなだけ遠くまで動けます。ルークは 2 個あり、互いに守り合って働くと特に強力です!

ルークの動き

ビショップ の動かし方

ビショップは斜めの 4 方向に好きなだけ遠くまで動けます。ビショップも 2 個ありますが、最初に置くマスの色が違い、最後まで同じ色のマスだけを動きます。2 個とも残っていると互いの弱点を補いあって強力です。

ビショップの動き

ナイト の動かし方

ナイトの動きは他の駒と大きく違います。縦か横に 2 マス、そこから直角に 1 マス進んだマスに動きます。動きは「L」の字に似ています。またナイトだけは他の駒を飛び越えることができます。

ナイトの動き

ポーン の動かし方

ポーンだけは動き方と取り方が違います。動きは前に、取る時は斜めに、です。ポーンは 1 手で前に 1 マスだけ動きますが、最初の位置(2段目)から動く時だけ 2 マス動くことができます。相手の駒を取る時は斜め前方に 1 マスだけ動きます。後ろに動くことはありません。ポーンのすぐ前のマスに別の駒があると、その駒を飛び越して動くことも、その駒を取ることもできません。

ポーンの動き

 推奨ツール → ひとりチェス(自分の駒を全部取る)


ステップ 3. チェスの特殊なルール

チェスにはいくつか特殊なルールがあり、初めは変に思えるかもしれません。どれもゲームをさらに楽しく、奥深くするためにできたルールです。

ポーンを昇格させる方法

ポーンにはもうひとつ特別な能力があります。ポーンはボードのいちばん向こうのマスまで行くと別の駒に変わることができます(昇格、プロモーションと言います)。

ポーンを昇格させる方法

ポーンはどの駒にも成れます(ときどき、ポーンが成れるのはすでに取られた駒だけ、と誤解している人がいますが間違いです)。通常は動きの大きいクイーンになります。昇格できるのはポーンだけです。

ポーンを昇格させるには

「アンパッサン」の方法

ポーンに関する最後のルールは 「アンパッサン」(フランス語で「通過中」の意)です。ポーンが最初の位置から 2 マス進み、相手のポーンの横に止まった時(言いかえると相手のポーンの効いているマスを飛び越えた時)、相手のポーンは動いたポーンが 1 マス動いた時と同じように取ることができます。

「アンパッサン」の方法

この特別な取り方はポーンが 2 マス動いた直後の手でしかできず、それ以降は取る権利がなくなります。変わっていますが重要なルールで、下の例をクリックして見てください。

アンパッサン

キャスリングの方法

もうひとつ特殊なルールに「キャスリング」があります。キングを(おそらく)安全なマスに移し、ルークを隅から出して活用するという 2 つの仕事を 1 手で行えます。自分の手番に、キングを左右どちらかに 2 マス動かし、その側のルークをキングの隣、反対側に動かします(下図の例を見てください)。ただしキャスリングには以下の条件が必要です:

  • キングの最初の動きであること
  • そのルークの最初の動きであること
  • キングと動かすルークの間に他の駒がないこと
  • キングが、チェックされることになったり、チェックされているマスを通過したりすることはできません

キングとボードの端との距離が短い方向にキャスリングすると、これを「キングサイド・キャスリング」と言います。その逆の方向(クイーンのいた方向)にキャスリングすると「クイーンサイド・キャスリング」です。どちらの方向でもキングは 2 マス移動します。

キャスリングの方法


ステップ 4. チェスの先手と後手

白い駒を持ったプレイヤーが先に駒を動かします(「手を指す」と言います)。ですから通常は、コイントスや、相手が手の中に隠したポーンの色をあてるなど、偶然の方法で白黒を決めておきます。まず白が 1 手指し、次に黒が 1 手指し、また白、黒、とゲームが終わるまで交互に指していきます。先に手を指せるのは少し有利で、白はすぐに攻撃を始められることもあります。


ステップ 5. チェスのゲームに勝つ条件を知る

チェスのゲームの終わり方は何種類もあります。チェックメイト、ドロー、投了、時間切れなど…

チェックメイトの方法

チェスのゲームの目的は相手のキングをチェックメイトすることです。つまりキングにチェックをかけ、そのチェックから逃れられないようにすることです。チェックから逃れる方法は 3 つだけです - キングを動かす(キャスリングはできません)、別の駒(合い駒)でチェックをさえぎる、チェックをかけている駒を取る、です。キングがチェックから逃れられない場合、そこでゲームは終了します。キングを取ってボードから取り除くことはしません。

フールズ・メイト

「フールズ・メイト」の例

ドロー(引き分け)にする方法

チェスのゲームは勝負がつかず、引き分け(ドロー)で終わることもあります。ドローには 5 つの場合があります:

  • ステイルメイト。あるプレイヤーの手番で、キングがチェック【されていない】のにルールに従った手がひとつもない状態です。

ステイルメイト

Qc7 の後、黒はチェックを受けておらず、動かせる駒がありません。ステイルメイトで引き分けです。

  • 両対局者は単にドローに合意してゲームを終えることができます
  • チェックメイトするに十分な駒が残っていない時(たとえばキングのほかにビショップ 1 個だけ、など)
  • 途中の手順を問わず、まったく同じ局面が 3 回現れた時、プレイヤーはドローを宣言できます
  • ポーンの動きも駒取りもないまま 50 手が過ぎた時

ステップ 6. チェスの基本戦略を知る

すべてのプレイヤーが知るべき 4 つの原則があります:

自分のキングを守る

キングはふつうはボードの隅のほうに移したほうが安全です。キャスリングをあまり遅らせないように。ふつうはなるべく早くキャスリングすべきです。自分のキングがチェックメイトされてしまうなら、相手のキングにどれだけ迫ろうと意味はありません!

駒をただで取られない

うっかり駒を取られないように! どの駒にも価値があり、チェックメイトに必要な駒がないと勝つことはできません。ほとんどのプレイヤーが目安として使っている駒の点数があります。チェスの駒の点数は?

  • ポーンは 1 点の価値があります
  • ナイトは 3 点の価値があります
  • ビショップは 3 点の価値があります
  • ルークは 5 点の価値です
  • クイーンは 9 点の価値があります
  • キングの価値は無限大です

ゲームの終わりにはこの点数に意味はありません。これはゲームの途中で駒を取るか、交換するか、他の手を指すかと考える際のかんたんな目安です。

駒の価値

ボードの中央を支配する

ピースやポーンでボードの中央をおさえるようにするべきです。中央を支配できれば自分の駒は動きやすくなり、相手の駒は動きにくくなります。上の例では白が中央をおさえるいい手を指しているのに対して、黒は悪い手ばかりを指しています。

すべての駒を活用する

上の例では白はすべての駒が戦いに参加しています!1 段目にじっとしている駒はあまり働いていません。相手のキングへの攻撃に役立つよう、すべての駒を前方に展開しましょう。1 個や 2 個の駒だけで攻撃しても、ちょっと強い相手には通用しません。


ステップ 7. 多くの対局で練習する

チェス上達のためにいちばん大事なのはたっぷりとプレイすることです! 家で家族や友人と指すにせよ、オンラインでプレイするにせよ、上達にはとにかく多く対局するべきです。今はオンラインで簡単に相手が見つかります!

各種バリアント(変則ルール)の指し方

たいていの人は標準のルールでプレイしますが、ルールを変えてプレイする人もいます。これを「チェス・バリアント」と言います。バリアントごとに独自のルールがあります。

  • チェス 960: チェス 960 (別名フィッシャーランダム)では駒の並べ方がランダムになります。ポーンは通常と同じ配置ですが、残りの駒がランダムに配置されます。
  • キングオブザヒル: このバリアントでは自分のキングを「山の上」、つまり中央のマスに入れることが目標です。
  • バグハウス: このバリアントはペアを組んでプレイします。駒を取ると、その駒がチームメイトのものになります。たとえば私が白で、チームメイトが黒でプレイしている場合、チームメイトが相手から白のナイトを取ると、私は自分の手番にこのナイトを盤上の空いたマスに置くことができます。何手後でもかまいません。
  • クレージーハウス: とてもエキサイティングなバリアントで、取った駒をまた使うことができます。たとえば白でプレイしていて黒のポーンを取ると、そのポーンは白のポーンとなって後で盤上に置けるようになります。何手後でもかまいません。
  • 3 チェック: このバリアントでは先に相手のキングに3回チェックすると勝ちになります。

チェス バリアント

楽しいチェス バリアントをお楽しみください。

 推奨記事 → 5つの楽しいチェス バリアント


チェス 960 の指し方

「チェス 960」 は通常のチェスとルールは同じですが、最初 1 段目に並べる駒の配置をランダムに決めるもので、その組み合わせが 960 通りあります。キャスリングも通常のチェスと同じようにでき、キングとルークが通常のキャスリングの位置に動きます(つまり「Kg1とRf1」または「Kc1とRd1」)。ほかのルールは通常のチェスと同じですが、序盤がずっと多彩になります。

チェス 960 の指し方

推奨ツール → チェス 960 でコンピューターと対戦

 推奨ツール → チェス 960 で友達と対戦


チェスのトーナメント用ルール

多くのトーナメントには共通のルールがあります。家庭やインターネットでの対局では使われないこともありますが、練習しておくといいかもしれません。

  • タッチ・ムーブ - プレイヤーがいったん自分の駒に触ったら、ルール違反でない限り必ずその駒を動かさねばなりません。触ったのが相手の駒なら、その駒を取らねばなりません。駒の位置を直すために駒に触りたい場合は、通常「直します」などと発声して相手に断る必要があります。
  • 対局時計 - ほとんどの実戦トーナメントでは、対局時計を使って 1 手ごとではなく 1 局あたりの持時間を管理します。両プレイヤーには 1 局全体に使える持時間が与えられ、どう使うかは自由です。手を指したプレイヤーは対局時計のボタンを押し、相手の時計をスタートさせます。一方が時間切れになり他方がそのことを指摘すると、時間が切れた側の負けです(ただし他方にチェックメイトできるだけの駒が残っていない場合はドローです)。

チェスについてよくある質問(FAQ)

以上、ちょっと情報が多すぎたかもしれません。そこでチェスの世界に入りたての人からよく寄せられる質問をまとめてみました。お役に立てれば幸いです。

チェスについてよくある質問(FAQ)

どうすれば強くなれますか?

ルールと基本の作戦を覚えても、それは最初の一歩にすぎません。チェスには一生かかっても足りないくらい学べることがたくさんあります。上達には 3 つのことが必要です:

  1. たくさんプレイする -- ただプレイを続けることです! できる限り多く。勝っても負けても、1 局ずつ何かを学んでいくでしょう。
  2. チェス・レッスンで勉強する -- 早く上達したいなら、オンラインのチェス・レッスンがいいでしょう。 オンラインのチェス・レッスンはここ で検索できます。
  3. 楽しむこと -- すぐに勝ちまくるようになれなくても、がっかりしないように。誰でも、世界チャンピオンでさえ、負けることはあります。プレイを味わい、負けたゲームから学び続ければ、いつまでもチェスを楽しむことができます!

チェスの初手はどれが最善ですか?

チェスで最善の手はどれか、一致した意見はありませんが、すぐに中央を支配しにいくのが大切です。そのため、多くの人は最初に中央のポーン(キングかクイーンの前のポーン)を 2 マス進めます(1.e4 か 1.d4)。中には 1.c4 か 1.Nf3 を好む人もいます。これ以外の手はやや劣るとされています。ボビー・フィッシャーはキングの前のポーンを突く 1 e4 が最善と考えていました。


どちらの色が先手ですか?

白い駒を持ったプレイヤーが必ず先に駒を動かします。


ポーンは後ろに動けますか?

ポーンは後ろには動けません。ただしポーンがボードの向こうの端まで到達すると、別の駒(クイーンなど)に昇格させる必要があります。昇格すればその駒の動きとして後ろに動くことができます。


チェスでは一度に複数の駒を動かすことはできますか?

自分の手番には 1 個の駒だけを動かせます。ただひとつ例外があり、キャスリングの時にはキングとルークの両方を 1 手で動かせます。


チェスでいちばん大事な駒はどれですか?

キングはチェスでもっ


チェスはいつ発明されましたか?

チェスの起源は正確にはわかっていませんが、約 2000 年前にインドでプレイされていたゲームから発展してきたと多くの学者が考えています。現在のルールのチェスは 15 世紀ごろに生まれ、まずヨーロッパで流行しました。


チェス史上最長の試合は?

トーナメントでの最長手数の試合は 1989 年のニコリッチ 対 アルソヴィッチ戦で、セルビアのベオグラードで行なわれました。


記譜法(notation)とは?

記譜法はプレイの後にゲームを検討できるようと発明されました。このおかげでゲーム全体を記録して何度でも再現できるようになったのです。自分の手と相手の手を正しく書くことにだけ注意してください。

記譜法

チェスの記譜法によって対局はすべて保存できます…

マスにはそれぞれ座標が付けられ、駒は名前のイニシャル(ナイトはN、ビショップはB、クイーンはQ、ルークはR、キングはK)で表します。

 推奨記事 → 記譜法 - チェスの世界の共通語


チェスの目的は何ですか?

チェスは 2 人がひとつのボード(盤)をはさんでプレイするゲームで、ボードには塗り分けられた 64 個のマスがあります。プレイヤーはそれぞれ 16 個の駒を持ちます。キング 1 個、クイーン 1 個、ルーク 2 個、ビショップ 2 個、ナイト 2 個、ポーン 8 個です。

チェスの用具

対局に必要なものは盤と 2 人のプレイヤー、32 個の駒だけです。

ゲームの目的は相手のキングを「チェックメイト」することです。チェックメイトは、キングが次に取られる位置にあり(「チェック」と言います)、その状態から逃れられないことを言います。

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